花丸ズッキーニのソテー。ポロネギの小花を散らして。。。
1964年の東京オリンピックの際、海外の選手のために持ち込まれたズッキーニ。それを見た築地市場の商人が数年後に輸入を開始。その後のイタリア料理ブーム到来も相まって、今ではほとんど国産になりました。国産になったおかげで、レストランや直売所などで目にするようになった花の付いたままのズッキーニ。日本ではまだまだ歴史が浅いですが、晩春から初夏にかけての風物詩になる野菜でしょう。そんな花ズッキーニですが、今回は丸いズッキーニの花付きなので「花丸ズッキーニ」と呼んでみました。半分に切り分け、花の中の小さなアリを洗い流し、オリーヴ・オイルでソテーしました。実は柔らかくなり、花はサクッとなり、コントラストの強い食感を演出できます。味付けはミネラル塩だけ。ほんのりネギ臭のあるポロネギの小さな花を散らしていただきます。この時期ならではの花と花との出会いの風味です。
花丸ズッキーニ/サマーボール
ズッキーニは日本で知られるようになったのは50年ほど前のこと。それはキュウリのような色形で、球形のものはここ10年か15年くらい前の話で、日本では歴史の浅い野菜です。イタリア料理ブームで花ズッキーニも人気を得ましたが、日持ちが悪いため流通量は少なく、料理店や直売所で見かけるくらいです。そんな貴重な花丸ズッキーニを食卓でいただけるのは、自己菜園を営むことの醍醐味の一つです。イタリア野菜のイメージが強いですが、原産地はメキシコ周辺。紀元前5,500年頃には栽培されていたそうです。でもメキシコ料理にズッキーニを使った物ってありましたっけ?
ポロネギの花
ポロネギ(リーキ)は、日本では馴染みがありませんが、ヨーロッパでは、ローマ皇帝ネロの好物との記録があり、古くから食されていたそうです。イギリスの構成国ウェールズの国章にポロネギが描かれていて、一説によると、その昔、戦争中に敵味方を見分けるために、国王の命令で、兵士のヘルメットにポロネギをつけていたためとされています。それだけ、たくさんの量を長い期間栽培していたということですね。旬は冬から春にかけて、初夏には花を咲かせます。この花がシャリシャリしていて、ほのかなネギの香りがあって美味しくいただけます。小さな花が数え切れないほどたくさん一塊りになっていて、そのままフリットすれば、とても美味しくなります。