サツマイモ「紅はるか」の抹茶きんとん。

サツマイモ「紅はるか」の抹茶きんとん。

サツマイモ「紅はるか」の抹茶きんとん。

 焼きいもは江戸時代後期から、大阪、江戸を中心に人気を得たサツマイモ料理の一つ。焼くことで強い甘みを引き出し、香ばしいキャラメルのような良い匂いを漂わせます。個人的な好みとしては、焼きいもはサツマイモの一番美味しい食べ方ではないかと思うほどです。
 我が家庭菜園の定番サツマイモ「紅はるか」の焼きいもをベースに抹茶味のきんとんに仕立てました。ねっとりと焼きあがったイモを熱いうちに裏漉しして、抹茶、黒糖、無調整豆乳(匂いの少ないイオンのもの)を合わせて、なめらかクリーミーに。黒糖の香ばしさとカリッとアーモンドも相まって焼きいもが一段上の品格のあるお菓子に仕上がっています。

 

大浦ごぼう

サツマイモ「紅はるか」

 20年ほど前、まだ東京で暮らしていた頃、新たな芸農というジャンルに取り組み始めました。その頃、よく通っていた農水省のプレスリリースで「不測時の食料安全保障」というテーマに驚きを感じました。食料自給率が40%以下という現在の日本で、輸入に異変が起きた場合の対処法が公表されたのです。国民が飢えた時、国の多岐に渡る統制経済的対策の中の一つとして、国中の野菜畑の半分以上とその他の畑転換可能地を使って北はじゃがいも南はさつまいもを栽培させて国民に配給するとのことでした。2002年当時、今のようなねっとり系がほとんど流通していなかった。粉質のサツマイモは胸焼けの原因の一つでしたので、胃の弱い私はひょっとしたら生きていけないかも知れない?と恐怖を覚えたものです。その後、2007年に「かんしょ農林64号」が登場して、この焼き芋を食べたときには歓喜しました。外観および食味が、これまでの品種より「はるか」に優れるということで、「紅はるか」と命名されたそうです。ねっとりとして蜜のように甘い。口当たりも風味も胃にも美味しい。今では我が家庭菜園で秋に収穫し、毎年の冬の甘味として人生の楽しみの一つとなっています。

 

天高く マヤ放つ 愛
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イタリアントマト「コストルト・フィオレンティーノ」
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